来週8/15終戦記念日のUIチャンネルはお休みです。次回22日、そして29日の放送は、琉球沖縄センター編集による特別編をお送りします。
8 月 15 日は終戦記念日とされ、77年前の8月 14 日にポツダム宣言を受諾し、8月15日に昭和天皇が詔書を読み上げた玉音放送によって敗戦が知らされた日です。しかし、310 万人以上の犠牲者を出した悲惨な戦争から77年が経つが、唯一、地上戦を強いられた沖縄にとって「終戦」 という言葉は通用しません。
住民の 4 人に 1 人が亡くなった沖縄戦は、本土防衛のための捨て石であり、その状況は今なお続いています。 日本は敗戦後、沖縄を日本から切り離し、米軍は銃剣とブルドーザーで住民の土地を無理やり接収。広大な基地が次から次へと建設され、1945 年から 1972 年に至る 27 年間は米軍の統治下にありました。現在は、国土面積の 0.6%しかない沖縄県内に全国の約 70.3%もの在日米軍専用施設・区域が集中しており、基地の存在ゆえの事件事故に悩まされています。
本年5月に沖縄の本土復帰50年を迎えた今だからこそ、琉球・沖縄センターでは、伝えたい現状があります。
8月 22 日の UI チャンネルは、沖縄本島北部からフェリーで渡って 30 分のところにある伊江島から、平和資料館「ヌチドゥタカラの家」館長 の謝花悦子さんにお話を伺います。 資料館には、戦後、米軍によって強制的に土地を奪われた農民らの抗議活動の様子が収められた写真や資料、戦 争中の生活品や遺品、米軍の銃弾などが展示されています。
琉球・沖縄センターの瑞慶覧センター長と Young Friendship Okinawa(若者チーム)のメンバーが資料館 を見学。平和への想いを綴ります。(現在、伊江島の村面積の約 35,3 パーセントは米軍基地)
また、翌週の 8 月 29 日の UI チャンネルは、2021 年 7 月にユネスコ世界自然遺産に登録された沖縄本島北部に位置する「やんばるの森」から、チョウ類研究者の宮城秋乃さんとお届けします。
秋乃さんは、2016 年に返還された米軍北部訓練場の跡地が世界自然遺産になったことを受け、米軍が残した廃棄物が残った状態のままで世界自然遺産に登録されたのはおかしいと疑問を呈しています。その廃棄物は人体や自然に悪影響を及ぼす放射性物質などが含まれており、秋乃さんは廃棄物を拾っては米軍基地のゲート前に返しています。彼女は米軍の廃棄物を拾ってゲート前に並べた(返却)ことで、威力業務妨害で家宅捜査されたそうです。
戦後77年とは言え、やんばるの森をはじめ、沖縄の空では米軍機による訓練が頻繁に行われています。日々、爆音をまき散らす戦闘機やオスプレイに悩まされ、1959 年には小学校にジェット機が墜落、2004 年には 大学米軍ヘリコプターが墜落、2018 年にも北大東島南西の海上に FA18 が墜落…トラブルをあげるとキリがありません。
沖縄は、77年もの間、米軍基地を過重に負担させられ、その都度、負担軽減を訴えてきました。 辺野古新基地建設問題も、明確に県民投票においても反対の民意が示されたにも関わらず、沖縄を取り巻く諸問題は解決していません。
謝花悦子さん、宮城秋乃さんの活動を知ってもらうことで沖縄に目を向けるきっかけとなってほしいと願い、この企画を計画しました。
是非、ご覧頂きたいと思います。
*上記内容は、当研究所の理事長・鳩山友紀夫が2022年8月8日に配信された第451回UIチャンネルの最後で読み上げたものです。動画は下記リンクはご覧ください。