東アジア共同体研究所

「社会変革を通じた経済対策」はまだか?  Alternative Viewpoint 第56号

2023年10月15日

はじめに

私は毎週末、荷物運搬係として妻とスーパーへ買い物に行く。「門前の小僧」のような私にさえ、諸物価の高騰ぶりは十二分にわかる。昼飯代も明らかに出費が増えた。そんな中、去る9月25日に岸田文雄総理が新たな経済政策を10月末にも取りまとめると表明した。[1] 「物価高に苦しむ国民に対して、成長の成果(税収上振れ)について適切に還元を行」ってくれるのだそうである。でも、だから何なのか? 岸田の経済対策を実行したところで、日本経済の「失われた30年」が「失われた40年」になるだけだ。

物価が上がることが全面的に悪いわけではない。しかし、それに合わせて賃金が上がらなければ、給与生活者の生活が苦しくなるのは自明の理。給料が毎年着実に上がるためには、経済全体がしっかり成長することが大前提である。私の望みは、日本経済が「補正予算を組まなくても平均して1~2%成長できる」という意味で〈持続的な成長〉を遂げるようになることだ。政府に対しても、〈ひと時の快楽〉を提供することではなく、厳しくても構わないから日本経済の地力を底上げする政策を求めたい。

AVP本号では、国際的に見て日本経済と国民生活の現状がいかに酷いかを見た後、既存の経済対策の限界について解説する。そのうえで、日本経済を持続的成長軌道に乗せるため、幾つかの〈オーソドックスでない経済対策〉を提案しよう。

 

貧しき日本人の現状~国際比較

物価高騰が問題になっているのは日本だけではない。だからと言って、「仕方がない」と思うのは違う。労働者が実際に受け取る給与(名目賃金)から物価変動の影響を控除した〈実質賃金〉に焦点を当て、そのことを説明しよう。アベノミクスの時代、日本の実質賃金は5%近く低下した。[2] つまり、物価の上昇に給与の引き上げがついていかなかった、ということ。岸田は「3.58%の賃上げ」を誇るが、直近でも実質賃金は17か月連続で前年同月比マイナスが続いているのが現実だ。[3] 国際的に見れば、実質賃金をめぐる日本の状況はどうなのか?

先進国の平均に全然届かない

一般に先進国と言われるOECD加盟38カ国について、2022年の年間平均賃金を比較したのが下のグラフである。購買力平価ベースで米ドル換算してあるため、実質賃金の比較と考えても大きな問題はない。日本は41,509ドルで25位。アイルランドや米国の半分強! OECD平均の53,416ドルにも届かず、2015年以降は韓国(48,922ドル)の後塵を拝している。

(OECD.Statより作成 [4]。ただし、*は2021年、**は2020年のデータ。)

時計が止まった日本

次に、OECD加盟各国の実質賃金が過去10年間に自国通貨建でどれほど増減したかを示したのが下記のグラフである。日本の実質賃金は過去10年間で1.3%しか増えていない。伸び率ではOECD加盟38カ国中32位。昨年の実質賃金(4,522,614円)は、2000年と比べても8,821円の増加にとどまる。このペースが続けば、日本人の年間平均賃金がポーランド、チェコ、トルコなどに抜かれるのも時間の問題であろう。

(OECD.Stat(前掲)より作成。ただし、*は2021年、**は2020年の実質賃金。)

先行きも暗い

次のグラフは、OECD加盟の9カ国について過去10年間の平均経済成長率を比較したものである。先に見た実質賃金の伸び率の大小が各国の経済成長率にほぼ対応していることがわかるだろう。

Source: IMF, Real GDP growth (https://www.imf.org/external/datamapper/NGDP_RPCH@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD)

実質賃金のベースとなる名目賃金の持続的な上昇には経済成長が不可欠。一方で、経済が弱ければ、金利要因から自国通貨安が進み、輸入物価の高騰を通じて物価全般の上昇を招きやすい。日本の場合も、米国経済の成長に日本経済がついていけず、日米の金利差が拡大した結果、円安が進んだ。[5] しかも、物価の番人である日銀は企業活動への悪影響を恐れるあまり、最も基本的な物価対策である金融引き締めに踏み切ることができない

では、日本経済の今後の見通しはどうなのか? IMFが予測する、上記9カ国の2024年から28年までの実質GDP成長率(平均値)は以下のとおりである。日本経済の成長速度は今後も他国と比べて大きく見劣りがする。成長しない日本の実質賃金もまた、低迷が続きそうだ。[6]

 

今の経済対策では駄目な理由

岸田が今月中にも打ち出す経済対策は、①物価対策、②賃上げ継続、③国内投資促進、④人口減少対策、⑤国土強靱化を5本柱とし、20兆円規模になるとも言われる。政府がそれだけの金を使えば、多少の景気浮揚効果はもちろん出る。だが、所詮は〈一時しのぎ〉にとどまろう。

既視感

一昨年11月、岸田内閣は補正予算を組んで約32兆円(うち、19兆円弱はコロナ関連)を経済対策に当てた。それから1年、景気が息切れしたため、岸田内閣は昨年11月も補正予算を組む。そこで打ち出されたのは、①物価高騰・賃上げへの取組、②円安を生かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化、③「新しい資本主義」の加速、④防災・減災及び国土強靭化の推進を掲げた約29兆円の経済対策であった。だが、日本経済が持続的な成長軌道に乗ることはなく、今また経済対策の話になっている。この間、国債発行残高だけは順調に増え、1,000兆円を超えた

今回のものもそうだが、アベノミクスを含む歴代政権の経済対策は、政府が国民(企業を含む)にお金を配ること、いわばカンフル剤の注入が中心となっている。お金の配り方は、減税給付金だったり、公共投資だったり。税収上振れのような財源がない時は、国債という名の借金に頼ることも珍しくない。その一方で、日本経済の体質を向上させるような政策は、あっても冴えないものばかり。だから、経済対策でいくらお金を配っても、それが種火となって持続的な経済成長が実現することはない。毎年、「補正予算だ、経済対策だ」と騒ぐことを繰り返す。

低生産性を温存する政治構造

今回の経済対策の目的について岸田は、物価高対策と並んで、「長年続いてきたコストカット型の『冷温経済』を脱し、活発な設備投資、賃上げ、人への投資による経済の好循環を実現する『適温経済』に転換する」ことを挙げた。[7] それだけ聞けば、方向性は決して悪くない。私の望む「補正予算なしで、年率1~2%の成長を持続できる経済」とも相通ずるところがある。岸田の言う「適温経済」を実現するためには、日本経済の地力を高めなければならない。具体的には、生産性の大幅な向上有効な人口(労働力)減少対策が必須だ。

日本生産性本部の試算によれば、2021年の日本の就業者1人当たりの労働生産性81,510米ドル(購買力平価)。OECD平均である107,462ドルの76%にすぎない。首位はアイルランドの226,568ドルで、ルクセンブルの174,888ドル、ノルウェーの153,118ドル、米国の152,805ドルと続く。日本の順位は加盟38カ国中、29位だ。トルコ(90,394ドル)や韓国(89,634ドル)よりも低い時間当たりの労働生産性も日本は27位にとどまる。[8] これでは国際競争に勝てるわけがない。

岸田の経済対策では、三位一体の労働市場改革、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)等を行って生産性の向上に努める意向のようだ。しかし、自民党政権は様々な既得権益層の支持を受けているため、従来の規制や制度、慣行を大きく変えることには及び腰だ。変える場合でも、小幅な見直しにとどめたり、激変緩和等の名目で新しい補助金を創設したりして、改革は骨抜きにされる。[9] アベノミクスの第3の矢(成長戦略)が十分な成果を出せなかった最大の理由もそこにあった。党内掌握力を含め、指導力で安倍の足元にも及ばない岸田に満足な結果が出せたら、奇跡であろう。

日本経済の生産性向上を阻む、政治がらみの分厚い障壁はまだある。下図からもわかるとおり、日本の企業の廃業率は欧米先進国に比べて非常に低い。これは、生産性の低い企業が政府の保護・優遇策によって守られ、存続していることを意味する。過度の保護・優遇をやめて生産性の低い企業の退出を促さない限り、日本経済の生産性が目に見えて向上することはない。政府の経済対策に決定的に欠けていることの1つだ。


(中小企業白書 2023より[10])

 

少子化対策の限界

50 年後、日本の総人口は現在の7割となり、全人口の約4割65 歳以上が占めると予想されている。[11] それは市場の縮小と労働力不足を意味し、日本経済にとってハンディキャップとなる。

安倍政権を含め、自民党政権は人口減少対策を重視してこなかったが、岸田内閣に至って「異次元の少子化対策」を掲げた。ところが、今年6月13日に政府がとりまとめた「こども未来戦略方針」の中身は驚くほどショボい。児童手当の支給期間を「中学生まで」から「高校生まで」に広げるとは言え、金額は月額1万円のまま(3歳以上、第2子までの場合)。14年前に民主党が公約した毎月2万6千円はおろか、鳩山政権で実現した1万3千円にも届かない。[12] 昨年12月、岸田は国家的予算配分の全体像を議論することなく防衛予算の倍増(狭義の防衛費では1.6倍増)を決めた。そのため、少子化対策を検討する段になって財源不足に直面し、大胆な対策を取ろうにも予算がつけられないのだ。この程度の金額で若者世代のマインドを変え、少子化の潮流をせき止めることはむずかしい。

少子化は若者世代の結婚観、家族観やライフスタイルの変化に根ざした問題である。経済的インセンティブの付与保育所の整備、育休取得率目標引き上げ等によってそれらを変えられるのかという、より根本的な疑問もある。少子化対策に最大限望める効果は、少子化・人口減少のペースをスローダウンさせる程度と思っておくべきかもしれない。

 

オーソドックスでない処方箋

昨年12月、ニュージーランド政府「煙草のない環境法」を成立させ、2009年1月1日以降に生まれた人が紙煙草を買えなくした。煙草の小売店も現在の6,000店から600店に制限する。当然、小売店を含めたタバコ業界の大反発はあったが、健康被害の減少と医療費の削減を理由に労働党政権が押し切った。[13] デンマーク、マレーシア、英国でも、これに倣おうとする動きが出ている模様だ。[14] これらは純粋な意味での経済対策とは違うが、既得権益の抵抗を抑えて社会制度の変革を実現する事例として、非常に参考になる。我々も、日本経済を持続的な成長軌道に乗せたいと本気で考えるのであれば、政府がこれまで行ってきた経済対策の枠組みを大きく乗り越え社会の仕組みを変えることも躊躇してはならない。ここでは議論のための叩き台として、4つの私案を提示する。[15]

移民制度を導入する

先述のとおり、少子化対策による効果は限定的なものにとどまるだろう。それでも少子化対策はやらざるを得ないが、別の労働人口減少対策も考える必要がある。残る選択肢と言えば、移民政策の採用しかあるまい。日本政府が定義する移民政策とは「国民の人口に比して、一定程度の規模の外国人を、家族ごと(滞在)期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策」のことだ。

日本ではこれまで、移民政策は不人気だった。特に、保守派は強いアレルギー反応を示してきた。その一方で、今年1月1日時点で日本に住む外国人住民は300万人弱となり、前年から11%も増加している。[16] そのうち、外国人労働者数が182万人を占め、下図のとおり7年間で2倍に膨れた[17]。 国立社会保障・人口問題研究所は、移民制度を導入しなくても50年後には、国内人口の1割以上を外国人が占めるようになると予測している。[18]

なし崩し的に外国人住民が増えるのを傍観するくらいなら、前向きに移民制度を設計して外国人の流入を管理し、併せて人口減少対策とした方がずっと良い。低成長・低賃金の続く日本が、単なる労働力という位置づけのままで外国人労働者を将来も呼び寄せ続けられるのか、という問題への回答にもなろう。
数年後を目途に「どの程度の数の移民をどれくらいのペースで受け入れるか」「永住権取得の居住要件をどうするか」等の論点を詰め、とりあえず10年程度、試験的に移民を受け入れてみてはどうか。やってみてどうしても問題の方が大きければ、その時点で移民制度は廃止すればよい。

中小企業政策を見直す

業態に関係なく保護される経済主体のカテゴリーとして、中小企業の存在がある。法人税率の軽減、交際費の損金処理、繰越欠損金の取扱いから、各種補助金、信用保証、利子補給まで、政府は中小企業に手厚い優遇措置を施してきた。中小企業に対する保護・優遇策自体は、国際的に見ても別に珍しい政策ではない。だが日本の場合、経営がうまく行っていないにもかかわらず、政府の保護・優遇措置のおかげで生きながらえている中小企業が多すぎる。

帝国データバンクによれば、日本では所謂「ゾンビ」企業(=3年連続で本業の利益で借入利息を払えず、かつ設立10年以上の企業)が全体の12.9%を占め、その7割近くは売上高5億円未満の中小・零細企業だ。[19] 「ゾンビ」企業を存続させたまま、日本経済全体の生産性を上げるのは無理な相談である。一般論としても、生産性と企業規模の間には相関が指摘できる。下図のとおり、中小企業の労働生産性(平均値)は大企業の4割以下。日本経済の生産性を引き上げるためには、金融円滑化法に代わる資金繰り支援の通達を含め、中小企業に対する保護・優遇策は思い切って縮小することが不可欠である。[20]

(中小企業白書 2023より[21])

中小企業への保護・優遇策を見直せば、一時的に中小企業の倒産が増えることが避けられない。短期的には、経済成長にも雇用にも悪影響が出る。しかし、そこを我慢しなければ、日本を待つのは確実に「失われた40年」である。中小企業に対する保護・優遇策の縮小と合わせ、政府は職業訓練や再就職支援など雇用のセーフティネットを提供するとともに、規制緩和・規制改革を断行して新しいビジネス・チャンスを増やさなければならない。2020年時点で5.1%だった日本の開業率を欧米並みの10%前後まで引き上げることを目標に掲げ、政策を総動員することが求められる。

中小企業は日本の全企業数の99.7%、従業員数でも68.8%を占め、共産党を含む全政党にとって極めて大切な支援者だ。最初は時限的な措置として導入された中小企業支援のための法改正等が期限の来るたびに全会一致で延長され、事実上の恒久措置になっていることも珍しくない。中小企業に対する保護・優遇策を縮小しようと思えば、小泉純一郎元首相の郵政民営化どころではない、大きな大きな国益判断と政治決断が必要になる。

祝祭日を半分にする

今日、日本には祝祭日が17日ある。それに土日を加えれば、小売業等を除く日本の会社の多くは、1年365日のうち120日以上、活動していない生産性の低い会社が多いのに、こんなに休んでばかりでは、経済が停滞するのも当然である。
1990年に日本人の1人当たり年間労働時間は2,000時間を超えていたが、2021年には1,607時間に低下した。これは、米国、カナダ、イタリアの水準を下回っている。[22] 今は「働きすぎ」を心配するよりも「働かなすぎ」を心配する時である。日本人が一斉に休む祝祭日は、半分でいい

とは言え、ここまで休みが増えてきた現実を踏まえれば、いきなり祝祭日を半分にしようと言っても、国民の同意は得られない。そこで、取得する(させる)ことが義務づけられている有給休暇の日数を増やすことも併せて行ったらよい。具体的には、労働基準法を改正し、有給休暇の取得が義務化されている日数を現在の5日から20日程度に増やすのである。
昨年、日本の労働者が有給を取得した平均日数は10.3日である。[23] したがって、祝祭日を半分にしても、働く人にとって年トータルの休暇取得日数は今と変わらないか増える計算になる。その一方で、会社が閉まる日数は年間で8~9日減らせる。

そもそも、自分の休む日すら全国一律、法律で決めてもらわないと安心できない、という日本人の受動的な精神性は褒められたものではない。祝祭日削減と有給改革を実現すれば、自分自身の労働や経営に対する働く人の意識は今よりも能動的になるだろう。そうした意識改革は日本経済にとって無形のプラス作用を及ぼすに違いない。

NHKを民営化する

かつて日本には、電電公社・日本専売公社・国鉄・日本郵政公社などの国営企業が存在したが、すべて民営化されて今はない。ところが、NHK受信料制度によって守られたまま、放送法に基づく特殊法人として存在し続けている。これはおかしい。

NHKの受信料(2023年10月に値下げされて以降の金額)は、地上契約で月1,100円、衛星契約で月1,950円になる。1住居あたり、年間で13,200円(地上波のみ)または36,600円(衛星放送とセット)の負担だ。[24] 今年8月、自民党の情報通信戦略調査会NHKのインターネット配信をスマホ等で視聴する人に対し、一定の負担を求めるべきとの提言案をまとめた。今後、NHKの受信料負担はまた増えそうな雲行きが漂う。民営化すれば、こうした負担はなくなる限定的な消費税減税のようなものと考えてもよい。

一方で、NHKが民営化されることのデメリットは高が知れている。報道の中立性と言ったところで、仮面に過ぎない。今のNHKは(民放と同様に)十分政府寄り、政権寄りである。視聴率優先でジャニーズ事務所に忖度した点でも、民放と何ら変わりはなかった。

教育放送(Eテレ)については、日本郵政・日本郵便にユニバーサルサービスの義務化がかかっているように、法律で維持を義務づけるなど、知恵の出しようはあるはずだ。「NHKを民営化すれば、民放が少なくとも1つは潰れる」という指摘もよく聞く。しかし、それがどうしたと言うのか。誰も傷つかない改革などありえない。[25]

 

おわりに

企業経営であれ、スポーツであれ、これまでのやり方でうまくいかない状況が長く続けば、違うやり方を試すことは当たり前である。ところが、経済対策だけは、20年も30年も同じようなことを繰り返し、結果を出せなくても誰も文句を言わない与党も野党も長年にわたって有権者や支持基盤の御機嫌取りに血道をあげ、国民の多くもまた、それに慣れてしまったからだろう。

私は、日本経済の国際的地位が今よりも低下し、自分自身を含めて日本国民が貧しくなっていくのを見ることに、もう我慢がならない。だから、「社会変革のコストを甘受してでも、大胆な改革を実行してほしい」と政治に求めたい。読者はどう思われるだろうか?

 

 

[1] 令和5年9月25日 経済対策についての会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)

[2] 「2019年の雇用者1人当たり実質賃金は2012年対比▲4.6%と低下しており、それは正規だけでなく非正規でも同様だった(一般労働者:同▲1.8%、パートタイム労働者:同▲4.2%)。」雇用・所得面から見たアベノミクスは「失敗」だったのか? 2020年09月28日 | 大和総研 | 田村 統久 (dir.co.jp)

[3] 8月実質賃金2.5%減 17カ月連続マイナス | 共同通信 (nordot.app)

[4] Average annual wages (oecd.org)

[5] 物価高の原因をウクライナ戦争に起因する国際的な資源価格の上昇のみに求めることは間違いである。国際的な小麦価格はロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年2月の390ドル(月間平均)から同年5月に522ドルまで急騰した後は下落に転じた。直近の2023年9月は315ドルとなり、ウクライナ侵攻時の水準を下回っている。315ドルという水準は2010年前後とほぼ同じ。ただし、当時は1ドル80~100円だったのに対し、今のドル円レートは150円に近い。円安要因なかりせば、日本国民が物価高の痛みをこれほどまでに感じることはなかったはずだ。

[6] 野村総合研究所の木内登英氏は実質賃金がマイナスを脱するのは2024年10月頃ではないかと予想している。ただし、同氏はそれが持続的な賃金、物価の好循環を意味するものではないと釘を刺すことも忘れていない。実質賃金が上昇に転じるのはまだ1年以上先か | 2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

[7] 前掲、9月25日の記者会見。

[8] 労働生産性の国際比較 (jpc-net.jp)

[9] 業界団体等の既得権益層の支持を無視できないのは自民党だけではない。かつての民主党は、政権交代前こそ「既得権益の打破」を謳っていたが、政権を担ってからは既得権益層に取り込まれた。公務員叩きで名をはせ、改革イメージの強い維新も、その隠れた権力中枢が大阪の地方議員団にあることを考えれば、既得権益の核心に切り込むことはないだろう。

[10] 03Hakusyo_part1_chap3_web.pdf (meti.go.jp)

[11] pp2023_PressRelease.pdf (ipss.go.jp)

[12] 岸田政権は児童手当の所得制限を完全に撤廃し、給付対象を現在の「中学生まで」から「高校生まで」に広げる。また「第三子以降」への給付については、現在の1万5000円から3万円に増額する。kakugikettei_20230613.pdf (cas.go.jp)

[13] 紙たばこ「生涯禁止」、2009年以降生まれを対象に ニュージーランド – BBCニュース

[14] 英政府、若者向けたばこ販売の全面禁止に向けた措置を提案 | ロイター (reuters.com)

[15] 時間と字数の制約から今回は記載しなかったが、〈オーソドックスでない〉経済対策の候補はほかにもある。日本版「タバコのない環境法」もその一つだ。

[16] 外国人住民とは、①中長期在留者(外国人労働者を含む)、②特別永住者(サンフランシスコ平和条約で日本国政を失った韓国・朝鮮人及び台湾人)、③一時庇護のための上陸の許可を受けた者又は仮滞在の許可を受けた者、④出生又は日本国籍の喪失による経過滞在者のいずれかで、住所を有する人のこと。

[17] 001044543.pdf (mhlw.go.jp)

[18] 【コラム】外国人の日本移住、思う以上に進んでいる-リーディー – Bloomberg

[19] 特別企画:「ゾンビ企業」の現状分析(2022年11月末時点の最新動向)p230104.pdf (保護) (tdb.co.jp)

[20] 2008年のリーマン・ショックを受け、中小企業の資金繰りを支援するために金融円滑化法が導入された。この法律自体は2013年に期限が切れている。しかし、政府はその後も金融機関に「中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について」という通達を出し、資金繰り支援等で「事業者に寄り添った対応を徹底すること」を要請し続けている。

[21] 03Hakusyo_part1_chap3_web.pdf (meti.go.jp)

[22] 生産性向上が先か、賃上げが先か-賃上げを起点に縮小均衡から拡大路線への転換を |ニッセイ基礎研究所 (nli-research.co.jp)

[23] 年間休日日数・有給休暇取得率の平均とは?世間動向をチェック! | 人事制度のつくり方【人事戦略研究所】 (jinji-seido.jp)

[24] 12ヶ月前払にすれば、地上波のみで12,276円、衛星放送とセットで21,765円となる。

[25] 民営化に際して今のNHKを分割するか等、具体的な制度設計については別途議論してよい。

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