東アジア共同体研究所

ご挨拶

私が希求する東アジア共同体構想の思想的源流をたどれば、それは正に私自身が大切にしている「友愛」思想に行き着きます。「友愛」は「博愛(fraternity)」と訳されることもありますが、自分の自由と自分の人格の尊厳を尊重すると同時に、他人の自由と他人の人格を尊重する考え方のことです。「自立と共生」の思想と言ってもよいでしょう。

私は政治家になって以来、「日本と他のアジア諸国、より広くはアジア・太平洋諸国相互の間に、友愛の絆をつくりあげることはできないものか」と考えてきました。と言うのも、この地域では、ほかならぬ日本が多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた後、70年以上が経った今もなお、真の和解が達成されたとは必ずしも考えられていないからです。

目を欧州に転じれば、悲惨な二度の大戦を経て、それまで憎みあっていた独仏両国は、石炭や鉄鋼の共同管理をはじめとした協力を積み重ねました。さらに国民相互間の交流を深めた結果、事実上の不戦共同体が成立したのです。独仏を中心にした動きは紆余曲折を経ながらその後も続き、今日のEUへと連なりました。この欧州での和解と協力の経験こそが、私の友愛への理想の原型になっています。

すなわち、私の東アジア共同体構想は、「開かれた地域協力」の原則に基づきながら、関係国が様々な分野で協力を進めることにより、この地域に機能的な共同体の網を幾重にも張りめぐらせよう、という考え方です。貿易、投資、金融、教育、文化、医療、福祉、環境など、広範な分野で協力を具体的に進めることを、何よりも重視すべきです。

また、私が「東アジア共同体構想を前進させる際に最も大事な鍵になる」と思っていること、それは「人」です。日本製品がアジア諸国で普及しても、日本でアジア諸国からの輸入が増えても、それだけで相互理解が実現することはありません。「人と人との触れ合い」を通じてはじめて、我々は真にわかりあえます。その技術、道具を互いに学びあうことも大切です。こうして我々は、様々な協力を始めることができるのです。

さらに、日本はアジアの多くの国々より一足先に「成長の先にある課題」に直面しています。これをユニークと言っていいかどうかわかりませんが、少子高齢化、都市化と過疎化の同時進行などが挙げられますが、我々は試行錯誤の末、このような課題に対処するための知識や経験を蓄積してきました。

重要なことは、ほとんどすべての国が、こうした課題にやがて行きあたる、ということです。日本がこれまで蓄積してきた知見は、地域の国々が「成長の先にある課題」に取り組む際に、公共財的に使ってもらうことができます。

一足先に苦労する、ということも、日本の力になります。だからこそ、私はこの日本が他のアジアの国々ともっと協力的になれば、お互いにウィンウィンの関係になれると信じています。

そして、東アジア共同体を構想するとき、沖縄を抜きには考えられません。地理的にも沖縄は東アジアの中心に位置していますし、歴史的にも沖縄は東アジアの様々な文化が融合してきた過去を有しています。東アジアの結節点である沖縄から共同体を構想することに大きな意義があると思うのです。

 

私は総理時代、この「東アジア共同体の創造」を新たな公の領域の開発や地域主権国家の確立と並ぶ国家目標の柱の1つに掲げ、内外に大きな反響を引き起こしました。しかし、短い在任期間中にその具体的な道筋をつけることができないまま辞任したため、ブームもしぼみ、その後の政権下では言葉だけは引き継がれましたが何もアクションはなく、逆に「日米同盟強化」の旗の下、ア軽視ないし敵視する時代逆行的な方向がとられていることは誠に残念なことです。

 

2013年3月、26年間の政治活動から引退したことを契機に、自ら一般財団法人東アジア共同体研究所を興し理事長に就任いたしました。そして私のかねてからの念願である「東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター」も沖縄県那覇市に開所致しました。これは、沖縄の未来構築や基地問題に対する自分の責任を引き続き全うするという思いを、当研究所の政策研究提言や県民運動支援の活動を通じて実現していきたい、そして、この構想を夢物語で終わらせるのではなく、東アジア共同体への夢を将来につなぎ、アジア諸国の日本に対する信頼を蘇らせるには、私自身が責任を持って発言し行動していくことが最も重要であると考えたからです。

 

皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。


組織概要

一般財団法人 東アジア共同体研究所

設立年月日
:2013年3月15日
所在地
:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-9-6
メールアドレス
:info@eaci.or.jp

東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター

所在地
:〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地1-2-3 パレットパーキングビル2F
Tel 098-963-8885  Fax 098-963-7858
メールアドレス
:info-oki@eaci.or.jp

組織図

■理事会

役員名簿(順不同)
2017年1月現在

■役員

理事長 鳩山由紀夫
理事  孫崎享
理事  橋本大二郎
理事  高野孟
理事  茂木健一郎
理事  波頭亮
理事  緒方修(琉球・沖縄センター長)
※任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとなっています。

■評議員会

評議員名簿(順不同)
2017年1月現在
評議員 栗林和徳
評議員 中島政希
評議員 鳩山幸
※任期は、就任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとなっています。

■監事会

監事名簿(順不同)
2017年1月現在
監事  五百蔵洋一
※任期は、就任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとなっています。

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・Android 4.0以降