東アジア共同体研究所

メールマガジン

【東アジア共同体研究所(E​ACI) News Weekly Vol.125 「日本領事館の白壁を見つめ続ける少女像」】

================================

    EACI News Weekly 第125号(6月2日号)
  東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
    http://eaci.or.jp/

================================
「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。
Facebook : http://www.facebook.com/east.asian.community.institute
================================
【目次】

【1】《今週のニュース 2017/5/27-2017/6/2》
  政治(3)、経済(2)、国際(4)、社会(2)

【2】《UIチャンネル放送予告 No.202》
 第202回UIチャンネル放送「時事鼎談」
 ゲスト:羽場久美子氏氏(青山学院大学大学院教授)
 http://ch.nicovideo.jp/eaci/blomaga/ar1276231

【3】《EACIレポート》
  辺野古新基地の建設を止める沖縄県の「闘いはこれから」
 (日刊ゲンダイ/高野孟)

【4】《研究員コラム》
  「日本領事館の白壁を見つめ続ける少女像」
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】《今週のニュース 2017/5/27-2017/6/2》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【政治】
■小選挙区の区割り見直し法案 衆院を通過
(NHK 2017.6.1)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170601/k10011002861000.html

■環境相「失望と怒り」、閣僚発言相次ぐ 米パリ協定離脱
(日経新聞 2017.6.2)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H0L_S7A600C1EAF000/

■翁長知事、国提訴へ 週明けにも会見 防衛局「岩礁破砕許可は不要」 
(沖縄タイムス 2017.6.2)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/100306

【経済】
■官房長官、株一時2万円「経済に好循環」
(日経新聞 2017.6.2)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H0J_S7A600C1MM0000/

■「日本の役割、決定的に重要」=議論主導を-TPP発効へ安倍首相
(時事通信 2017.5.30)
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017053000357&g=eco

【国際】
■トランプ米大統領、パリ協定からの離脱を表明
(CNN 2017.6.2)
 https://www.cnn.co.jp/usa/35102146.html

■パリ協定脱退方針 各国の反応は
(NHK 2017.6.2)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170602/k10011003891000.html

■自衛隊が米空母2隻と日本海で共同訓練、北朝鮮に圧力
(ロイター 2017.6.1)
 https://jp.reuters.com/article/us-japan-joint-excercise-idJPKBN18S4M3

■北方領土問題 露大統領「米軍配備」に懸念
(日テレ 2017.6.2)
http://www.news24.jp/articles/2017/06/02/10363145.html

【社会】
■辺野古移設 沖縄県 7月にも工事差し止め求め提訴へ
(NHK 2017.5.30)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170530/k10010999551000.html

■シンガポール、テロの脅威「近年で最大」 報告書
(日経新聞 2017.6.1)
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H64_R00C17A6FF2000/

■ミンダナオ島内戦に突入、ISの影
(JapaninDepth 2017.5.27)
 http://japan-indepth.jp/?p=34521
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】《UIチャンネル放送予告 No.202》
 第202回UIチャンネル放送「時事鼎談」
 ゲスト:羽場久美子氏氏(青山学院大学大学院教授)
 http://ch.nicovideo.jp/eaci/blomaga/ar1276231
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 第202回UIチャンネル放送は、青山学院大学大学院教授であり国際政治学者の羽場久美子氏をゲストにお招きして、対談「鳩山友紀夫×羽場久美子」を生放送でお送り致します。

羽場久美子氏プロフィール
<学歴・職歴>
世界国際関係学会(ISA)副会長、京都大学客員教授(2017)日本学術会議第一部会員、グローバル国際関係研究所所長、JAICOWS(女性科学研究者の環境改善に関する懇談会) 会長その間、東京大学大学院、京都大学大学院、一橋大学大学院、慶応大学、早稲田大学などで講師。 京都大学大学院COE、一橋大学大学院COEの客員研究員。
省庁では、内閣総理府研究会委員、内閣総理府 EU市民交流海外交流委員、参議院調査会、財務省 通貨研究会委員、外務省 欧州局研究会委員、文部科学省 科学研究費 審査委員、大学設置設審議会 審査委員,中央教育審議会高等教育教科書検討委員、大学評価委員を歴任。
<在外研究>
2011―12年、ハーバード大学国際関係研究所、客員研究員。欧州と東アジアの地域統合、アメリカの役割、ネットワーク形成と若者のリーダー育成を検討。
2008年 イタリア・フィレンツェ、欧州大学研究所(EUI)、客員研究員。
2005年 欧州委員会よりジャン・モネ・チェア(国の代表的EU研究者)授与。
2004年 フランス・ソルボンヌ大学 第1、国際関係研究所にて、客員研究員
1995-6年 ロンドン大学SSEEES(スラブ東欧研究所)客員研究員
1994-5年 ハンガリー科学アカデミー歴史学研究所 新渡戸社会科学フェローシップ
<学外役職>
日本学術会議 連携会員をへて、日本学術会議第1部会員諸機関委員長、副委員長、幹事を歴任。東アジア共同体評議会副議長、日本国際フォーラム参与。国際アジア共同体学会副理事長などを歴任。

番組内では質問を受け付けておりますので、コメント欄またはinfo@eaci.or.jpまでお寄せ下さい。

■第202回UIチャンネル放送「時事鼎談」
 ゲスト:羽場久美子氏氏(青山学院大学大学院教授)
 http://ch.nicovideo.jp/eaci/blomaga/ar1276231

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】《EACIレポート》
  辺野古新基地の建設を止める沖縄県の「闘いはこれから」
 (日刊ゲンダイ/高野孟)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「東アジア共同体研究所」理事の高野孟の最新コラムが日刊ゲンダイに掲載されました。

  * * * * *

 先週末から数日間、那覇に滞在して、県庁中枢、経済界指導者、地元紙編集幹部など要路の方々と翁長県政の行方について集中的に意見交換した。

 結論を端的に言えば、辺野古の新基地建設をしゃにむに推進しようとする官邸と司法が一体となった攻勢によって、翁長雄志知事がかなり苦しい立場に追い込まれているのは確かだけれども、まだ対抗手段はいろいろ残されていて専門家チームによる検討が進んでいるし、何よりも翁長自身の気力も衰えていないので、まさに「闘いはこれから」だということである。

 目前の問題は、知事が前知事による「埋め立て承認の撤回」に踏み切るかどうかである。すでに国と県との間では、その埋め立て承認に法的な瑕疵があったかどうかを争う裁判が行われ、昨年末に県の主張を退ける最高裁判決が下った。それに対して「撤回」とは、その埋め立て承認が適法であったとしても、その後の工事などに重大な違反があれば知事権限で承認を無効とすることができる行政手続きである。知事がそれを発動すれば、国は当然、県を訴えてまたもや裁判になり、しかし日本は司法の独立が確立された法治国家ではないので、これもまた県の敗訴になる可能性が高い。

 そうなってしまうと、行政手続きを巡って裁判で争うという抵抗形態は打ち止めになり、その先はどう闘いを続けるのかという難題が迫る。そのため、知事周辺はすぐにでも「撤回」を発動することに慎重で、他の手段とうまく絡ませながら、タイミングを計ろうとしている。ところが、反対運動の陣営や過激な文化人の間からは、「何で撤回に打って出ないんだ」「知事は日和見を始めたのではないか」などと批判の声が出始めて、それが余計に翁長を苦しめているという。

 私が今回会った方々は、誰もが「撤回」を早急に発動することには…(続きは以下アドレスより)

■《EACIレポート》
 辺野古新基地の建設を止める沖縄県の「闘いはこれから」
 (日刊ゲンダイ/高野孟)
  https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206480/2
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【4】《研究員コラム》
「日本領事館の白壁を見つめ続ける少女像」
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本領事館の白壁を見つめ続ける少女像

釜山・日本領事館の看板は小さな裏通りに面して掲げられている。思わず見過ごすほどの小さな文字だ。鉄の門の前には警備員が2人いた。横にゼッケンを付けた女性が一人。胸に書かれた韓国語は日本政府への抗議だ。「強制連行による女性の死亡者1062人、日帝は歴史の罪人」。慰安婦の少女像は反対側の表通りにあった。ここは6車線の大通りに面している。車がひっきりなしに行き交う。しかし少女像は車道に背を向けている。広い歩道には地下鉄チョラン駅のガラス張りのエレベーターホールが突き出ている。その横のスペースに少女像とハングルで刻銘された文字板。亡くなった慰安婦達の名前が記されている。前に横長の小さなポストが立っていた。生き残りの高齢の元慰安婦達に手紙が届けられるのだろう。
24時間、学生たちが座り込みで抗議している、とテレビニュースは言っていた。しかし誰もいない。私たちの日本語を聞いて、初老の男性が話しかけてきた。長崎からの観光客だった。私が写真を撮っている間、通りかかったのは一人だけだった。
日本領事館は歩道に沿って高い白壁が続いている。何の標識もないので領事館とは分からない。車の出入り口は壁と同じ白色に塗られた鉄板で閉じられ、内部を窺うことはできない。4人の警備員がいるので警護が必要な建物だ、ということだけは感じる分かる。
少女像の背後は車がせわしく行き交う車道。目の前の歩道は歩く人も少ない。少女像はじっと大使館の白壁に向かい合って座っている。
静かな光景だ。見ているうちになぜ慰安婦像がいま建てられたのか。釜山市が認めたのも問題だが、その前に日本政府はこれまで誠実にこの問題に向き合っていたのか。そして今回のトラブルはいったい日本領事を召喚するほどのおおごとだったのか、と疑問が湧いてきた。しかも召喚して韓国政府からは何の反応も得られなかった。つまり外交的失敗だ。
菅官房長官のように、戦後生まれなのでなかなか戦前の歴史は分からない、と言い放つような神経では隣国との付き合いは難しい。沖縄は国内では最大の被害を受け続けている。だから傲慢無礼な日本政府の仕打ちは身に沁みて分かっている。

テンプルステイin 海印寺

今回の訪韓は知人H氏からの「招待」だった。ところがH氏は私の友人Y氏に宿泊先や移動などをまる投げしたらしい。というのは着いてから分かったことだ。初日はテンプルステイということだけ聞いていた。だがこのテンプルがどこのお寺で、翌日はどこへ行く、という予定が全く不明。いきなり「クェンチャナヨー」(どうでもいいさ)の世界に迷い込んでしまった。
日程は4泊5日、3日間は釜山近辺に泊まり、一日はソウルに泊る。初日のテンプルがどこか?車で案内してくれたY氏も良く分かっていない。Y氏はそもそも奥様がどこかでテンプルステイの仕事をしていて、そこに泊まるんじゃなかったのかい?
釜山から約2時間、車は山麓へ入り、海印寺の門をくぐった。左に岩がむき出しの川、緑に包まれ空気がひんやりとしてきた。門から約7キロ、ようやく大きな寺が見えてきた。ここは有名な世界遺産で韓国で私がもっとも訪ねたかったところだ。
世界遺産の登録名称は―『八萬大蔵経』版木所蔵の海印寺。
韓国南部、伽耶山(かやさん)の山麓にある海印寺(ヘインサ)は、802年に僧の順応と理貞によって創建された名刹。仏教の経典の集大成である『八萬大蔵経(はちまんだいぞうきょう)』の版木(はんぎ)を保管する蔵経板殿(チャンギョンパンジョン)が1995年に世界遺産に登録されている。そしてこの版木は世界遺産に登録されている。
8万枚以上の版木は13世紀の高麗時代(918~1392)にモンゴル軍侵攻という国難克服のため発願された。初彫は1232年、モンゴル軍に襲撃された際に消失した。その後、15年の歳月をかけて復刻、1251年に完成した。中に入ってこの版木を見ることは出来ないが、外から窺うことは可能だ。校倉造りで風通しが良く、800年近い歳月に耐えている。床は木炭と石炭、塩を重ねた土間になっており湿気を調整する。長方形に囲まれた中庭から右左の建物を見ると窓の形が違う。これは対流を起すための工夫だという。版木1枚の大きさは幅約24㎝、横約69㎝、厚さ約3.8㎝で全面に薄く漆が塗られている。中庭を出たところに大きなパネル写真があった。この前で写真を撮ると、まるで大蔵経が収まった館内へ入って撮ったように見える。

朝3時起きで読経、108回の苦行

海印寺の宿坊に泊まった。一行20人は白人が約半分。ドイツ人、カナダ人、フランス人、韓国人、珍しく日本人という構成。ヘルスセンターのパジャマのようなネズミ色の上下服に着替え、堂内での礼儀作法を学び食堂へ向かう。食事、トイレ、大勢がいるところでの会話は原則禁止だそうだ。
キムチ、白菜、キノコ、ゴボウ、白飯、大根の葉が入った味噌汁を頂く。もちろんうまくはない。食事中は会話禁止なので大勢で箸が食器をかする音だけが響く。
その後、堂内を巡り芝生のサッカー場に着いた。伽耶山が間近に見える。1430mだそうだ。尾根は鋸のようにギザギザに尖っている。
山の方向に向かって「歩く瞑想」を行った。足で土を感じるように。なるべくゆっくりと、かかとからつま先をおろす。それでも10分も経つとサッカー場の端へたどりつく、するとまた元へ戻る。往復の時間差が人によって違い芝生の上にバラバラに立っている。ロダンの彫刻・カレーの市民を思い出した。案内の僧侶はまだ片道の3分の1にも達していないロースピードだ。
消灯は9時、起床は3時!上下作務衣のような服を着た一行が2列縦隊で進む。連合軍の捕虜達が強制労働の現場に向かう光景を思い出す。3時17分から広場の大太鼓の前に揃う。一人の僧侶が叩き始め、次に二人、また一人で、と続ける。太鼓は人の背より大きい。撥で時々周りを叩く。ドンドン、カラカラの繰り返し。地獄にいる者の魂を鎮め、言葉の分からない動物たちにも聞かせる響きだという。叩く時間も38分38秒とか説明していたが詳しくは分からない。
太鼓の音に送られて、本堂へ向かう。既に信者たちで満杯だった。テンプルステイは我々「一日にわか仏教徒」だけでなく数日間滞在する人々が多い。遠くの太鼓の音を聞きながら座る。

やがて太鼓が鳴りやみ、遠くから鉦の音。それも止んで静寂が続く。鳥もまだ目覚めていない。目の前には大きな金の仏像が数体。
僧侶が前に数人座り、その後ろに我々が座っている。ろうそくが揺らぎ白熱球の光が明るくみんなを照らしている。じっと座ったままで待つ。しわぶきの音ひとつしない。
読経が始まった。日本のと比べてリズミカルだ。時々、はんにゃはらみーだ、と聞こえる。立ったり座ったり平伏したり、前の僧侶に合わせて繰り返す。
終了後、別のお堂に移動。スピーカーから流れる音に合わせて頭を付けてお辞儀、すぐに立ったり座ったり、の繰り返し。20回を超したあたりでふらふらとなり、あとは合掌したままで呆然と立ち尽くしていた。気を取り直し36回までは数えたが、もう無理。しかし、ほとんど全員が108回の苦行を終えた。子どもの合格祈願で来ている父母もいるだろう、大変だ。
ヒンズースクワットより過酷な運動だ。帰国したら健康のために20回くらいはやってみるか。静寂な時間、野菜中心の粗食、禁酒、早朝の読経・・・。どれも守れそうもない。
しかし韓国滞在中の5日間、スマートフォンの電源を切り、電話もメールも無縁の生活を送ったことは癒しの時間にはなった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■メール内容に関するご意見・ご要望はこちら
 アドレス:info@eaci.or.jp
■購読解除はこちら
 アドレス:info@eaci.or.jp
発行  :東アジア共同体研究所
      〒100-0014 千代田区永田町2-9-6 十全ビル706
WEB  :http://www.eaci.or.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/east.asian.community.institute
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
本誌に掲載されている文章の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2015-2017 東アジア共同体研究所 All rights reserved.

pagetop

■PCの推奨環境

【ブラウザ】
・IE9以上
・Firefox最新版
・Chorme最新版
・Safari 最新版

■SPの推奨環境

【ブラウザ】
・各OSで標準搭載されているブラウザ
【OS】
・iOS 7.0以降
・Android 4.0以降